<弊社参画前の課題>

高単価な無形商材(コンサルティングサービス)を扱う当該企業では、Google広告経由で月間数百件のリードを獲得していたものの、最終的な成約(売上)に結びついているキーワードやキャンペーンを詳細に特定できていなかった。 CRMとして GoHighLevel (GHL) を利用していたが、Google広告とはデータが分断されており、広告運用担当者は「問い合わせ完了(CPA)」のみを指標に運用せざるを得なかった。 その結果、CV数は多いが商談化しない「質の低いリード」に予算が投下され続け、営業部門の疲弊と顧客獲得コスト(CAC)の高騰が経営課題となっていた。

<支援内容>

1. 計測基盤の再設計(GTM / GCLIDの永続化)

オンラインのフォーム送信とオフラインの成約データを紐づけるため、Google Tag Manager (GTM) を用いてトラッキング基盤を整備。 ユーザーが広告をクリックした際に付与される識別子「GCLID」をCookieに保存し、GHLのフォーム送信時に隠しフィールド(Hidden Field)としてCRMへ格納する仕組みを実装。これにより、すべてのリードに対し「どの広告クリックから来たか」というトレーサビリティを確保。

2. オフラインコンバージョン連携の自動化(Zapier / GHL)

GHL上の商談ステータス変更をトリガーとするデータパイプラインを Zapier で構築。 単に「成約」だけでなく、「アポイント取得」「見積書送付」「契約締結」というセールスファネルの各重要地点をGoogle広告のコンバージョンアクションとして定義。 API連携における「タイムゾーンのズレ」や「GCLIDの有効期限(90日)」などの技術的課題をクリアし、CRM上の商談結果がリアルタイムでGoogle広告側へフィードバックされる環境を構築した。また、Cookie規制対策として拡張コンバージョンも併用し、マッチング率を最大化。

3. 入札戦略の高度化(Value-Based Biddingへの移行)

データ連携が確立したことで、従来のコンバージョン数の最大化(Target CPA)から、商談の期待収益に基づくコンバージョン値の最大化(Target ROAS)へ入札戦略をシフト。 「質の分からない10件の問い合わせ」よりも「成約確度の高い1件のアポイント」をAIが評価できるよう学習データを蓄積、自動入札の精度を向上。

4. 運用・保守体制の構築

連携エラー(Zapierのタスク失敗やGCLID欠損)を即座に検知し、Slackへ通知する監視フローを構築。また、GHLとGoogle広告の数値乖離を定期的にモニタリングするレポートを作成し、ブラックボックス化しがちな計測環境の民主化を実現。

<実績・成果>

  • 技術的成果
    • オンラインの「フォーム送信」からオフラインの「契約締結」まで、データ欠損率を5%以下に抑えた完全なトラッキング環境を実現。
    • 手動で行っていたデータ突合(Excel作業)を完全に自動化し工数をほぼゼロに。
  • ビジネス・組織的成果
    • 「商談につながらないキーワード」への出稿を停止し、予算を「成約するキーワード」へ集中投下したことでCPAを改善。
    • 広告運用チームと営業チームが売上というよりクリティカルな指標で会話できるようになり、リードの質に関する非効率な議論を抑制。