<弊社参画前の課題>

多国間に拠点を展開する当該グループでは、集客のためのWeb広告運用が拠点ごとのサイロ型に陥っていた。 Google Ads、Meta Ads (FB/IG)、TikTok Adsを各拠点のマーケティング担当が個別に運用しており、データは各媒体の管理画面や、属人的なExcelレポート中に散在。 最大の問題として、グループ全体での投資対効果(ROAS)や獲得単価(CPA)を横比較する手段がなく、経営層が「どの国の、どのキャンパスに、どの媒体で予算投下すべきか」という戦略的意思決定を行えない状態にあった。また、各種通貨の混在や、手動集計によるタイムラグも、迅速な予算配分を阻害していた。

<支援内容>

1. データ統合戦略の策定・パイプライン構築

単にLooker Studioと媒体を直結させるだけではデータ量増加による描画遅延やAPI制限のリスクがあるため、スケーラブルな構成を設計。

  • Google・Meta・TikTokの全アカウント(MCCレベル含む)からデータを自動抽出するパイプラインを確立。
  • 通貨換算レートの正規化や、媒体ごとに異なるキャンペーン命名規則の統一(名寄せ)処理を実施し、分析可能な統合データマートを整備。

2. ダッシュボードデザイン・可視化(Looker Studio)

経営層から現場担当者までが共通言語として使えるUI/UXを設計した。

  • KPI設計: 全媒体共通の評価指標として、CPA(獲得単価)、CTR、Conversion Valueを定義。
  • ドリルダウン機能: 「Global View」→「Region View」→「Campus View」→「Platform/Campaign」へと、数クリックで詳細粒度まで掘り下げ可能な階層構造を実装。
  • クリエイティブ分析: 媒体を横断して「どのクリエイティブ(画像・動画)が最も生徒募集に寄与したか」をヒートマップで比較できるビューを作成し、クリエイティブ制作のPDCAを加速。

<実績・成果>

  • 技術的成果
    • 3媒体×9拠点×2通貨の複雑なデータを統合し、レポート作成工数をほぼゼロに。
    • データマートの整備によってLooker Studioの描画速度を劇的に改善し、ストレスのない分析環境を提供。
  • ビジネス・組織的成果
    • 拠点・媒体ごとのCPAパフォーマンスがリアルタイムの可視化により、予算配分の最適化を実現。低パフォーマンス媒体からの予算シフトによるCPAの改善。
    • 多国間のマーケティングチームで共通の数値基盤ができたことで、国境を超えたナレッジシェア、成功パターンの横展開が活発化。